コンドミニアムの使用目的変更手続き 「ホテルリゾート利用」⇔「居住利用」

オアフ島にあるコンドミニアムが「ホテルリゾート」に分類されている場合、コンドミニアムの内規に規定がなければオーナーは短期賃貸(30日未満の賃貸経営)を行うことが許されており、固定資産税率はコンドミニアムの総評価額の1.39%となります。

コンドミニアムが「居住利用」または「居住利用A」に分類されている場合(オアフ島では居住利用の税率が二段階あります)、固定資産税率は条件により物件総評価額の0.35%から1.14%となり、いずれにしても「ホテルリゾート」税率よりも低くなります。ホノルルの固定資産税に関する詳しい内容は、弊社ブログの税務関連情報 (固定資産税、賃貸所得税など)をご覧ください。

つまり、「ホテルリゾート」に分類されたコンドミニアムで短期賃貸を経営していないのであれば、固定資産税節税のためにその分類を「居住利用」に変更するのが賢明かもしれません。

以下では、物件の使用目的変更手続き、更新手続き、考えられる罰則について見ていきます。

「ホテルリゾート」から「居住利用」への変更

「居住専用利用請願書(Petition to Dedicate for Residential Use)」を記入し不動産評価課に9月1日までに到着するよう送付します。8月末または9月1日に発送する場合は、必ず消印が9月1日になるようにしましょう。請願が認められると、翌年7月1日から居住用税率が適用されます。請願書を9月1日以降に発送した場合、居住用への変更を丸一年長く待たなければなりません。

例1:2019年8月30日に請願書を送付した場合(締切の9月1日が迫っているので消印を押してもらう)、居住用税率は2020年7月1日(10か月後)から適応となります。

例2:2019年9月5日に請願書を送付した場合、居住用税率は2021年7月1日(22か月後)から適応となります。

居住利用資格の更新

オーナーがひとたび居住専用利用請願書を申請すると、専用利用資格は5年毎に無期限で自動更新されるため、その後の手続きは必要ありません。しかし、前のオーナーによりすでに「居住専用利用になっている」ユニットを購入した場合、新オーナーは前のオーナーが居住利用資格を承認された時点から5年目の9月1日より前に改めて居住専用利用請願書を申請しなければなりません。

例:前のオーナーが2017年8月7日に居住専用利用を申請し、2018年7月1日に資格が承認されました。ご自身が2019年11月にこの物件のオーナーとなり、専用利用資格が承認されてから5年度目(5年目は2022年7月1日から)に居住専用利用請願書の記入、提出が必要になります。ただし、2022年の9月1日より前に請願書を提出しなければなりません。その後は、ご自身がこのコンドミニアムのオーナーである限りこの利用資格が有効となります。

2022年9月1日のあとに請願書が提出された場合、翌年度(2023年7月1日)からホテルリゾートに分類されます。2024年7月1日までに再度居住用に分類されるためには、2023年9月1日より前に居住専用利用請願を再度申請する必要があります。

居住利用からホテルリゾートへの変更

ご自身または前のオーナーが居住専用利用請願を申請し、現在「居住利用」に分類されている物件で短期賃貸(1テナントあたり30日未満)経営を行うため「ホテルリゾート」に変更したい場合、「居住専用利用」から「ホテルリゾート」に変更を希望する旨を説明した書類をホノルル市不動産評価課に送らなければなりません。

書類には物件の住所、物件のTMK番号、不動産評価課からの返信を受け取る住所を忘れず記入するようにしましょう。不動産評価課からの返信には違約金の説明があるはずです。(詳細は下記をご覧ください。)

書類の送付先

まずはホノルル市不動産評価課((808)768-3799)に電話し、ご自身が所有するユニットの担当査定官の名前を聞きましょう。(この際TMK番号を用意しておきます。)そうすることで担当査定官に直接書類を送ることができます。書類は下記の住所に送ります。

Real Property Assessment Division
ATTN: 担当査定官の名前
842 Bethel St.
Honolulu, HI 96813 USA.

書類の送付に期限はなく、一年中いつでも送付できます。

「居住利用」から「ホテルリゾート」への変更にかかる違約金

すでに居住専用利用に分類された物件を購入した場合、前のオーナーが専用利用を承認されてから5年間の制約に縛られてしまいます。ただし、違約金を支払うことで居住利用を解除し、ホテルリゾートに変更することができます。

違約金の計算方法

前年度の理論に基づいて計算されたホテルリゾート税額(A) - 前年度実際に支払った税額(B) = C

C × 10%(罰則) = D

C + D = E

今年度の理論に基づいて計算されたホテルリゾート税額(F) - 今年度実際に支払う税額(G) = H

H × 10%(罰則) = I

H + I = J

E + J = Xドル(実際の違約金)

物件が前年度居住利用に分類されておらず今年度から居住用になった場合、違約金は今年度の税額(H + I = Jドル)のみで計算されます。

例:2019年9月12日に、2017年7月1日以来居住利用となっているコンドミニアムのオーナーとなり、違約金を支払って「ホテルリゾート」に変更したいと考えています。

2018年度の総評価額 = 800,000ドル

2018年度に支払った固定資産税 = 2,800ドル(A)

2018年度にホテルリゾートだった場合の固定資産税 = 10,320ドル(B)

BからAを差し引いた差額 = 7,520ドル(C)

C × 10% = 752ドル(D)

C + D = 8,272ドル(E)

2019年度の総評価額 = 835,000ドル

2019年度に支払った固定資産税まはた手数料 = 2,922ドル(F)

2019年度にホテルリゾートだった場合の固定資産税 = 11,606ドル(G)

GからFを差し引いた差額 = 8,684ドル(H)

H × 10% = 868ドル(I)

H + I = 9,552ドル(J)

総違約金(E + J) = 17,824ドル

注:「ホテルリゾート」への変更を希望していても居住専用利用が承認されてから5年が経過するのを待てるのならば違約金の支払いを回避することができます。

A) 居住利用申請の承認されている場合は、5年の期限が切れる前までに、5年間の居住専用利用を終えたのちに短期賃貸経営を始めるため物件の使用目的変更を希望する旨を言明した書類を不動産評価課に提出するだけです。

B) 前のオーナーによる居住利用請願が認められた物件を購入した場合は、(前のオーナーが居住利用を承認されてから)5年後に居住専用利用の期限が自動的に切れ、ホテルリゾートに復帰するため特に手続きは必要ありません!

本稿が物件の使用目的変更手続きのお役に立てれば幸いです。

免責事項
この情報は信頼できるものですが、保証するものではありません。また、いかなる決断もこれに依存するべきではありません。決断の際には必ずすべての情報を検証してください。規則、規制、法令、税率、税法、都市計画法、コンドミニアム運営関連書類などは変更されることがあります。