ホノルルにラグジュアリーコンドミニアムのブーム-ラグジュアリーライフの新しいカタチ

15年前であれば、ホノルルのラグジュアリー物件を購入するバイヤーのほとんどがプール付きの大きな一軒家を探していたでしょう。2002年には、ホノルルで150万ドル以上のコンドミニアム6軒(6軒すべてがオーシャンフロントの古い建物)しか売れていないのに対し、150万ドル以上の一軒家48軒も売れています。

2002年後半、建設に先立ちカカアコのラグジュアリーコンドミニアム ホクアの販売が始まりました。価格は低層階の2ベッドルームで50万ドル台、ユニットの半数は100万ドル越でした。この価格は、ダイヤモンドヘッドのゴールドコーストの数軒を除いて、ホノルルのコンドミニアムとしては前代未聞の高値であり、多くの人はこのような高額物件を開発業者が売りさばけるのか疑問を抱いていました。ところが、建設が開始された200311月にはユニットの95%が売却済みとなり、完成時の20061月にはリセール価格が安くても150万ドルという驚くべき価格上昇に恵まれたラッキーなバイヤーもいました。ホクアは、それまでの広いプライベート空間を備える一軒家へのニーズとは対照的に、簡単便利なライフルタイルを提案する新たなラグジュアリーコンドミニアムの高まる需要の先駆けとなりました。

その後、ホクアの高級感には及ばないもののザウォーターマークアルーアワイキキといったその他のプロジェクトがラグジュアリー物件として販売されました。

驚くことに、ホクアに匹敵する新たなラグジュアリーコンドミニアムは、2012年に発売開始後2日で完売したワンアラモアナまで建設されませんでした。ワンアラモアナの価格は、下層階オーシャンビュー無しの1ベッドルームで50万ドル後半から、オーシャンビュー有りの2ベッドルームで120万ドルから200万ドルの範囲でした。ところが2014年後半に完成するや否や、新たに別のラグジュアリーコンドミニアム3軒が建設に先立ち発売され、ワンアラモアナのリセールに打撃となりました。結局、大抵のバイヤーは大した価格上昇のメリットを得られないままでした。

20142月、ハワードヒューズコーポレーションが超ラグジュアリーコンドミニアム ワイエアとラグジュアリーコンドミニアム アナハの販売を開始しました。この2軒は同社が手掛ける60エイカーのワードビレッジマスタープランの一部として最初に発売されました。中間価格は、ワイエアで約300万ドル、アナハで約120万ドルでした。(アナハにはいくつかの比較的小さなユニットがあり、中間価格に大きな開きがあるのはこのためです。)ホノルルコンドミニアム市場においてワイエアの価格は前代未聞の高額でしたが、前例のない高級感というコンセプトへの期待から売れ行きは上々で、開発業者は1年以内に約80%を販売しました。(これはアナハにはわずかに及ばないものの同様に好調な売れ行きでした。)

2014年の夏の終わりにコバヤシグループとマックノートングループ(いずれも開発業者)が超ラグジュアリーコンドミニアム パークレーンアラモアナの販売を開始しました。中間価格は約350万ドルで、1平方フィートあたりの価格がホノルルで史上最も高いプロジェクトとなりました。販売は好調で、当初のバイヤー全員がいまだ所有権を手放していません。本稿執筆時点では約95%が販売済みです。

2015年夏、ハワードヒューズコーポレーションがワードビレッジ内のワイエア西側に隣接して建設される予定の超ラグジュアリーコンドミニアム シリンダーアットゲートウェイタワーの販売を始めました。このプロジェクトは、ホノルルで最も洗練された高級感あふれるコンドミニアムと期待されています。立地条件は劣るものの、価格はパークレーンに匹敵します。販売開始から2年半たった現在、建設時期は発表されていません。私は2018年中頃には建設が始まるのではと予想しています。(本稿執筆時)

その他にもカカアコ地区やアラモアナ地区を中心にラグジュアリーに分類される複数のコンドミニアム建設計画が進行中です。また、アラモアナショッピングセンター付近には複数のホテルコンドの建設計画があり、こちらはまだ計画初期段階です。

ホテルコンドについて:トランプタワーワイキキ2009年に、リッツカールトンワイキキウエストタワー2016年に完成しました。両物件ともにラグジュアリーに分類されますが、主な居住施設とは異なるホテルコンドであることから、これらのプロジェクトは本稿の分析から除外しています。

どんな人がラグジュアリーコンドミニアムを買っているの?

ラグジュアリーコンドミニアムのバイヤーのうち50%はホノルル在住です。25%が日本、15%がアメリカ本土、残りの10%が韓国や中国等その他海外のバイヤーです。

※数値はおおよそです。

バイヤーは何を求めているの?

ホノルルでは、新築で住み易く、店やレストランへのアクセスに便利な物件を求めるバイヤーが増えています。このトレンドは既存コンドミニアムの価値に影響を及ぼしています。2006年に建設されたホクアを例にとってみましょう。ホクアは現在でも素晴らしい物件ですが新しく刺激的なわけではないので、10年ほど前から価格はリセールのレベルになっています。新築物件に大幅な価格上昇の可能性を期待するバイヤーやただ単に新品未使用の物件が好きなバイヤーもいます。さらに新築物件には完成に期待を膨らませながら待つ楽しみもあります。バイヤーは、ほとんどの一軒家は新築ではなく、10年前にリフォームした500万ドルのダイヤモンドヘッド地区の一軒家ですら新築のラグジュアリーコンドミニアムほど刺激的ではない、と見ています。

トレンドの変化

2012年ホノルルでは、250万ドルを超える一軒家が43軒、コンドミニアムが16軒販売されました。2016年には250万ドルを超える一軒家が58軒、コンドミニアムが97軒販売され、ラグジュアリーコンドミニアム販売実績は飛躍的な成長を遂げました。

但し、2016年ラグジュアリーコンドミニアム販売数に計上されているものの一部は、実際には建設の13年前に購入されていて正式な販売成立が(建設された年)2016年となっている物件が含まれていることを忘れてはいけません。これにより、ラグジュアリーコンドミニアムマーケットが実際よりさら爆発的に成長を遂げたように見えるのは確かです。しかしそれでもなお、ラグジュアリーコンドミニアムの生活に対する需要が増していることには変わりなく、今後も当分の間はこのトレンドが続きそうです。

おわりに

ホノルルでは建設前及び建設中の新築物件が爆発的な人気を博し、開発業者は価格においてさらに積極的になっています。正しい判断を下すために、プロジェクトや、価格、構造、立地などを深く理解することが重要です。

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