法案41(市条例22-7)-オアフ島の新しい短期賃貸規制2022-合法短期賃貸物件

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— 2022/10/14更新: 米国連邦地裁判事ワトソン氏は、ホノルル市の不動産賃貸を最短90日からに変更する条例の実施差し止めしました。法案41の施行日である10月23日以降も、30日のバケーションレンタルの予約募集を、最低でもしばらくの間は継続できることになりました。


2022年4月26日、ブランジャルディ市長は、論議を引き起こした法案41(市条例22-7)の最終版に署名し、法律が成立しました。 弊社は、以前ブログのなかで、この法案の初期バージョンがいかに厚かましいかをご紹介しています。

端的に言うと、大きな変更点は以下の2点です。

  • 1)   住宅地での90日(以前は30日)未満の賃貸契約は違法とする。2022年10月23日から高額な罰金刑を伴う取締りが開始される。
  • 2)   短期賃貸物件(賃貸期間90日未満)は登録が必要で、初回登録料1,000ドル、年間更新料500ドルなど、さらなる制限や要件が課される。

関連記事:「ホノルル(ワイキキ)での合法バケーションレンタルガイド」をご覧ください。

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合法的に広告を出すことができ、テナント一人当たり90日未満で賃貸できる物件とは?

1テナントあたりの賃貸期間が90日未満で賃貸できる物件は、下記の4つ条件のうちいずれか1つを満たす物件に限定されます。

1)「リゾート混合地区」または「リゾート地区」にゾーニングされた物件。-このカテゴリーには、ワイキキにある以下の合法短期賃貸物件が含まれます。

イリカイイリカイマリーナワイキキショアワイキキビーチタワートランプタワーリッツカールトン2465クヒオマリンサーフパシフィックモナークバンブールアナリージェンシーオンビーチウォークワイキキグランドホテルカバナアットワイキキインペリアルハワイリゾートカラカウアンクヒオビレッジニイハウアパートメントロイヤルアロハシーショアトレードウインズプラザ

また、コオリナ地区はコオリナビーチビラズ、タートルベイ地区はオーシャンビラアットタートルベイ、マカハ地区はコテージアットマウナオルが含まれます。

2)NUC(Non-Conforming Use Certificate)を持つ個別物件。-NUCを持つ合法短期賃貸物件全793件はこちら。市は1990年9月に新たなNUCの発行を停止しています。

3)「Non Conforming Hotel」として法令の対象から除外され、NUCの要件が免除されているコンドミニアムビル。-このカテゴリーには、ワイキキにある以下の合法短期賃貸物件が含まれます。

アロハサーフハワイアンモナークアイランドコロニーパームスアットワイキキ、ロイヤルガーデンアットワイキキ

また、ホノルル中心部以外ではアラモアナホテルエグゼクティブセンターが含まれます。

4)「アパートメント区域」及び「A-1」、「A-2」にゾーニングされた区域内にある法案41で許可され、選ばれた物件。-このカテゴリーには、ワイキキにある以下の合法短期賃貸物件が含まれます。

ワイキキバニヤンワイキキサンセット

また、コオリナ地区では(各内規に従って指定されています。)、カイ・ラニココナッツプランテーションコオリナカイゴルフエステートコオリナフェアウェイズコオリナヒルサイドビラの西側部分が含まれます。

そして、タートルベイのクイリマエステート

以上が、オアフ島の合法短期賃貸物件です。

関連記事:「ワイキキのホテルコンド:家賃収入か、優雅なライフイフスタイルか」をご覧ください。

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レンタル期間の特例は認められるのか?

賃貸契約が、一時的な契約労働者、出張中の看護師、新居購入者や売却者の契約締結までの待機期間、自宅改築中、その他特別な場合(例:介護のため島外の家族が滞在する期間)には住宅地での90日未満の賃貸契約が許可されることがあります。この場合、申請と承認の手続きが必要となり、市は2022年10月23日までにこれを明らかにする予定です。

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市はどのように規制を執行するのか?

市条例19-18(法案89)が施行された2019年以降、市は市の検査官を7人増員する予定でした。しかし、資金不足により、検査官は採用されませんでした。それゆえ、市条例19-18(法案89)の執行はほとんど行われませんでした。

今回、市は積極的に賃貸広告を監視し、違法賃貸を一掃するために職員の追加雇用に専心しているようです。市の企画・許可局の条例執行力がいかほどのものか注視していきます。

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住宅ストックを解放し、住宅取得の可能性を高めると掲げた目標を新規制施行で達成できるか?

法案41の支持者は、「観光客を住宅地から追い出し」、「所有者が短期賃貸を地元住民のための長期賃貸に転換するよう誘導し、オアフ島の住宅供給を増やす」ために賃貸規制が必要だと力説しています。これが「住宅の値ごろ感を向上させる」のだというのですが、はたしでどうでしょうか。

それは、流暢性ヒューリスティックの典型のように聞こえます。単純に説明できるアイデアで、単純に聞こえるアイデアがたとえ間違っていても信じてしまいやすいということです。例えば、電車を作っても交通渋滞は解消されません。なぜなら、ある人は電車に乗ることを選択するかもしれませんが、そのことが他の人が車で移動する動機づけとなるからです。パーキンソンの法則を都市交通に応用したようなものです。海のそばの砂浜に深い穴を掘ったとしても、その穴は水でいっぱいになってしまいます。

では、どんな結果が期待できるのか?

  • 「住宅地から観光客を追い出す」-レンタカーの数が減っても、ラニカイノースショアが本当に混雑しなくなるかはまだわかりません。
  • 「オアフ島の住宅供給を増やし…住宅の値ごろ感を向上させる」-確かに崇高な目標のように聞こえますが、果たしてこの問題を法案41で解決することができるのでしょうか?

おそらく、現行の市条例19-18(法案89)を確実に執行していれば、住宅街にある違法な短期賃貸物件を締め出すことができたでしょう。しかし、残念なことに、企画・許可局は過重労働と人員不足を訴え、効果がないことが証明されてしまいました。はたして法案41の規制強化や追加要件が、企画・許可局の課題軽減に繋がるのでしょうか?

念のためここで明言しておきますが、私個人は住宅街での違法な短期賃貸や、30日間の偽装賃貸契約には反対です。しかし、30日から90日に基準を変更することは欠点が伴うことも事実です。

法案41が手頃な価格の住宅購入が困難な状況を改善するかといえば、そうではなさそうです。この法案は、期待外れで、丸い穴に四角い釘を打ったようなものだと判明しそうです。手ごろな価格の住宅不足への対策にはならない模様です。弊社では時期を見て比較検討していくことにしています。住宅価値は、これまで通り上昇し続けると思われます。

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新規制に対する法的課題は?

法律の専門家の中には、2つの懸念に基づいてこの法案に異議を唱える人もいます。

A)法案41は行政の行き過ぎた介入であり、長年にわたる憲法上の財産権の違法な奪取ではないだろうか?市は土地使用条例を修正し、不動産所有者の合法的な使用継続を保護することなく、短期滞在用ユニット(Transient Vacation Unit)の定義を30日から90日に変更したのだから。

ハワイ州憲法と連邦憲法では、既存の合法的な使用を既得の財産権として保護し、法の適正手続きなしに奪うことはできないとしています。

H.R.S. Section 46-4(a)では、条例が採択された時点でその土地が使用されていた目的の「合法的な使用の継続」を禁止する条例を採択するために郡がそのゾーニング権限を使用することを禁止しています。

ハワイ州憲法第20条は、正当な補償なしに財産価値や用途に「損害を与える」ことを禁じています。30日から90日の滞在を提供する賃貸契約は何十年もの間合法でした。個人所有者は、賃貸物件購入、投資のために、毎月多くの時間、努力、資金を費やしてきました。法案41は、NCUよる使用継続の機会がないこれらの不動産所有者に対し、実質的な破壊行為を行っていないとはいえ、合理的で投資に裏打ちされた期待に重大な損害を与えるものです。

B)不当な優遇措置によって、ホテルが特権階級として確立されるのではないか?それこそが、法案41に隠された当初の主要目的の一つだったのでは・・・。なぜなら、ホテルは新しい規制の対象外となっているから。

法案41では、過剰な登録料、追加制限、管理要件という不当な負担をリゾート地区の合法短期賃貸に不適切に課し、その一方でホテルはそれらが免除されています。

法案41の発議者等は、住宅地の違法短期賃貸取締を挙げて市民を付け込みました。しかし、リゾート地区の合法なB&BやTVUを罰しても、表向きの目標達成には何の役にも立ちません。

-弁護士等は、今回のような訴訟事例を検討し、法的措置の準備を進めています。今後も進捗状況をご紹介していきます。弊社ブログの自動配信登録をしてお待ちください。

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今後の動向

法案2(市条例22-6)が2022年3月28日に施行されました。

居住用不動産の売主は、その不動産が合法的に短期賃貸物件として使用できるかどうかを記載したこの短期賃貸(STR)情報開示書類を買主に提供しなければなりません。

1)居住用不動産が短期賃貸として使用されている場合、売主は、買主による不動産売買契約の締結前に、短期賃貸として合法的に使用されていることを示す以下の証拠を買主に提供しなければなりません。

  • 該当する政府の許可番号、NUC番号、または短期賃貸登録番号、およびGET、TAT、OTATの現在の支払い状況を証明する納税証明書。
  • さらに、売主は売却完了後7日以内に、必要事項を記入した書式と添付書類を企画・許可局のSTR@honolulu.gov宛に電子メールで送信しなければなりません。

2)売主が、売却する不動産が合法短期賃貸として使用できない可能性があることを開示する場合、売主は、提出書類のチェックボックス#2にチェックを入れ、買主に提供するだけでよいのです。

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法案4(2022年)は現在審議中

法案4では、「リゾート混合地区」および「リゾート地区」以外で営業するB&BとTVUについて、別の固定資産税区分を適用することを提案しています。

市の狙いは、「居住用」や「居住用A」に分類されるべきでない短期賃貸物件から高い固定資産税を徴収し、税収を増やすことにあります。

固定資産税の税率改定についても注目していきましょう。 

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明るい兆し

ブランジャルディ市長の、住宅地の違法な短期賃貸を取り締まるという意向が、近年の法律制定に反映されているのは疑う余地もありません。しかし、法案41と法案4が合法的な短期賃貸の犠牲のもとホテル業界にあからさまな利益がもたらすという意向はどこにも述べられていません。

この新たな動きは、短期賃貸物件のリスクとリターンのバランスを評価する上で、一部の不動産投資家を困惑させているようです。

私はこれまで、資産形成のための合法短期賃貸推奨を公言し、長年にわたり多くの合法短期賃貸の購入者を支援してきました。正しい理由で正しい物件を購入されたのであれば、大変喜ばしいことです。

しかし、もしあなたがこれまで法案41と法案4の結果を傍観してきたとしても、これ以上悩む必要はありません。なぜなら、大切なことに目を向ければ、人生はとてもシンプルなものになるからです。

ここに、合法短期賃貸の将来的な収益性が明るいと思われる理由を2つ紹介します。

  1. ハワイは、経済的な余裕のある人々の間で常に人気ナンバーワンの旅行先であること。
  2. 法案41の違法な短期賃貸を締め出す試みは、合法短期賃貸に純益をもたらすこと。

関連記事:「ホテルコンドの賃貸収入を増やす方法」をご覧ください。

だからこそ、私はつい2ヶ月ほど前にもワイキキの合法短期賃貸物件を購入しました。私はいたって楽観的です。あなたも今年は前進して、夢を叶えませんか?あなたにはその資格があります。ご多幸をお祈りしています。